【刊行物】小西真理子編著『パチプロを哲学する 依存と偏見とケアをめぐる対話』(青弓社) NEW

大阪大学人文学研究科准教授の小西真理子編著『パチプロを哲学する 依存と偏見とケアをめぐる対話』が青弓社より8月26日に刊行します。

紹介

パチンコは、多くの人々を引き寄せる「娯楽」であると同時に、賭博性や犯罪のイメージ、依存問題や青少年への悪影響などから社会悪として見なされてきた。10兆円を超える売り上げを誇る産業でありながらも、ネガティブなイメージで語られがちだといえるだろう。

では、パチンコで生計を立てるパチプロはパチンコとどのように向き合い、稼ぎを得て、生活しているのか。一方で、パチンコ障害の親をもつ子どもや依存問題の支援をおこなう現場の人々は、どのような思いを抱えているのか。

インタビューや座談会から、あまり語られないパチプロの声を明らかにする。そして、パチンコが社会に適合できない人のセーフティネットを担っていること、当事者も支援者も、依存と支援のはざまで共存を模索していることを照射する。

また、オカルト打法や「軽薄な遊び」としての側面を哲学的な視座から考察する。差別や偏見を伴う眼差しを向けられやすいパチンコの善悪二元論的な固定観念を溶かし、パチンコとともに生きる人々の理解に向けて、多様な回路を作り出す。

目次

序 章 パチプロたちの風景 小西真理子 
 1 パチプロ――パチンコで生計を立てる人々
 2 本書の目的――パチンコへの偏見を溶かす

第1章 パチプロという生き方――現役専業パチプロ・山本さんへのインタビュー 小西真理子
 1 自由な生き方としてのパチプロ
 2 セーフティネットとしてのパチンコ業界
 3 パチプロの美学

第2章 パチプロが語る依存と支援――元パチンコ生活者・竹岡さんへのインタビュー 小西真理子
 1 パチンコ、仕事、依存症
 2 パチプロと一般ユーザーの感覚の違い
 3 パチンコ業界と依存問題支援の共存

コラム1 「遊び」から考える依存問題支援――ワンデーポートの現場から 中村 努

第3章 ギャンブル障害と家族――父との出会い 齊藤如穂
 1 当人にとってのギャンブル行為
 2 家族にとってのギャンブル生活
 3 父の存在と出会う

コラム2 ギャンブルの問題の家族相談・家族支援を通してみえてきたこと 高澤和彦

コラム3 「借金」からパチンコを考える――債務相談の現場から 稲村 厚

第4章 座談会――パチプロにとってパチンコとは何か 丈幻/マコト/ガリバー/大川冬馬/〔飛び入り〕バイク修次郎 聞き手:小西真理子
 1 パチプロの自己紹介
 2 日本で唯一、表に出てこられるプロギャンブラー「パチプロ」
 3 セーフティネットとしてのパチンコ再考
 4 パチプロの定義
 5 バイク修次郎さんの飛び入り
 6 パチプロからみた社会の認識とのズレ
 7 パチプロ・パチンコへの社会の眼差し
 8 最後に一言!
 9 質疑応答――全四件の質問のうちパチプロの価値観に関わる二件を抜粋

第5章 人はなぜオカルト打法に走るのか――ヒュームとウィトゲンシュタインを手がかりに 溝越大秦/嘉目道人
 1 パチンコ・スロット概説
 2 オカルト打法の事例
 3 パチンコ・スロット遊技者の心理状態――ヒュームの観点から
 4 パチスロ遊技者の心理状態――ウィトゲンシュタインの観点から

第6章 「軽薄な遊びで、もっとも深いものと触れあう」――パチンコ・パチプロの哲学のために 西村高宏
 1 ギャンブルの妙味
 2 「集団的で、しかも一人ぼっちの遊び」
 3 「目的をもたないこと」(無目的性)の「豊かさ」
 4 パチンコの〈プロ〉?

あとがき 小西真理子

著者プロフィル 小西 真理子(コニシ マリコ)

1984年、岡山県生まれ。大阪大学大学院人文学研究科准教授。専攻は臨床哲学、倫理学。著書に『共依存の倫理』(晃洋書房)、『歪な愛の倫理』(筑摩書房)、『共依存とケア』(青土社)など。上記内容は本書刊行時のものです。

青弓社はこちら⇒https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787235787/

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