【雑誌掲載】『ユリイカ2026年1月号 特集=アリ・アスター』(青土社) NEW
大阪大学人文学研究科の小西真理子准教授の論文「恋人/家族『ミッドサマー』――囚われの楽園で生きることへの願望」が、12月27日発売の雑誌『ユリイカ 2026年1月号 特集=アリ・アスター』(青土社)に掲載されます。
『エディントンへようこそ』公開記念!
『ヘレディタリー/継承』(2018)、そして『ミッドサマー』(2019)によって世界中の注目を集めたアリ・アスターは、不安定な精神、居心地の悪さの極致としての恐怖や不条理なユーモア、悪夢のような映像によって個人的な物語を紡ぎ続けている。母親の埋葬に向かう旅路を描いた『ボーはおそれている』(2023)から2年、来たる12月12日にはコロナ禍のアメリカを舞台とした『エディントンへようこそ』が公開される。社会の分断を主題とした本作は、その営為においていかに位置づけられるのか。変化する「不安症」を見据える特集号。

特集*アリ・アスター――『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』『ボーはおそれている』、そして『エディントンへようこそ』へ
❖インタビュー
映画をつくり、世界を構築する / アリ・アスター 聞き手=編集部
❖閉ざされた街へようこそ
流し流される日常――政治的ホラーコメディのいま / 新田啓子
エディントンとウェスタン――アリ・アスターは西部劇の星空の下で何を描いたか / 川本徹
針に光があたるまで――アリ・アスターのフィルモグラフィーにおける手芸表象の移り変わり / 石田由希
❖おぞましさの構造
アリ・アスターの「抜き感」について / 斜線堂有紀
アリ・アスターとの時間 / 大森時生
❖イラスト①
『ヘレディタリー/継承』 / ヒグチユウコ
❖ 奇妙で不気味な(悲)喜劇
「不気味なもの」の彼岸――アリ・アスターと「思考なき無意識」 / 冨塚亮平
アリ・アスターはおそれている――作家の完璧さと制作の行方 / 堅田諒
アリ・アスター作品における優越の笑い / 藤原萌
憑依と所有――アリ・アスターとJホラーの距離 / 宮本法明
❖対談
箱庭との距離を測る / 山中瑶子×大島依提亜
❖箱庭の外へ
「エレベイテッド・ホラー」を(遠く)離れて / 風間賢二
アリ・アスターとA24 / 上條葉月
❖イラスト②
It’s him / 冬虫カイコ
❖夏至祭は暴かれる
カタルシスの生け贄――『ミッドサマー』における解放される女と焼かれる女 / 鷲谷花
恋人/家族『ミッドサマー』――囚われの楽園で生きることへの願望 / 小西真理子
残酷な女神が支配する / 河西瑛里子
不安と恐怖の先に――ボビー・クーリックの音楽と審美的感覚 / 對馬拓
❖おそろしく、魅力的な
夕闇の子どもたち / 岸裕真
恐怖を隠すならホラー映画の中 / 灰谷魚
切り取られた顔――アリ・アスター初期二作が訴える解放のヴィジョン / セメントTHING
❖みんなを不安にさせるもの
それははじめからあなたの知っているそれではない――アリ・アスター短篇作品の奇妙な出来事 / 新城大地
否定的内在――『ヘレディタリー/継承』における情動と水平 / 長尾優希
「ヘッド・トラウマ」経験としての映画『ヘレディタリー/継承』 / 西川秀伸
受難と支配の臨界を撮る――新世代のユダヤ系作家アリ・アスターが示すユダヤ性の反転について / 矢倉喬士
❖資料
アリ・アスター主要作品解題 / 伊藤弘了・桑原真子
❖忘れられぬ人々*51
故旧哀傷・大宮北小の同級生たち / 中村稔
❖物語を食べる*43
だから荒野へ、亡命せよ / 赤坂憲雄
❖詩
花の名残 他二篇 / 中村稔
❖ユリイカの新人
乳白色の夜は無花果の香り / ながさきふみ
❖われ発見せり
「当事者研究って大変ですね」 / 小田視希
表紙・目次・扉……北岡誠吾
表紙写真……『エディントンへようこそ』
12月12日(金)より全国公開
©2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.
配給:ハピネットファントム・スタジオ
ご購入はこちらをご覧ください⇒青土社 ||ユリイカ:ユリイカ2026年1月号 特集=アリ・アスター