2022年8月に出版された、小西真理子・河原梓水共編著『狂気な倫理:「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定』の合評会を開催いたします。
愚かな人生はある。不可解な生活もある。無価値な生もあるだろう。しかし/だから、狂おしい思いで、その狂える倫理を書きとめる。何かが狂う。何かが正される。そして何かが動きだす。若き友人たちの本ができあがった。
推薦文(小泉義之:立命館大学名誉教授)
私は、学問の世界の魅力のひとつは、ともすれば切り捨てられかねないような思想や物言いが、世の中で発せられるための武器や場所を与えることだと信じている。……本書に集められた、世間一般的には「愚か」で「不可 解」で「無価値」とされがちな生に「意味」を見いだそうとする営みを、本書では〝狂気〟と名づけたい。このような〝狂気〟を肯定する人びとこそが、〝狂気な倫理〟を表出させる者たちである。
「まえがき」より(小西真理子:大阪大学准教授)
彼らは大学という空間とは異なる場所から、その場所の流儀で語りかけているだけなのだ。あるいは、とにかく断 絶のある向こう岸から語りかけてきている。とはいえ、その言葉は彼らが存在した場所でなら、すらすらと通じたわ けでもない。その場合、彼らは大学院には来ない。わけがわからず、本人ももどかしい思いをしながらも、何かを背負ってしゃべっている。
「あとがき」より(河原梓水:福岡女子大学講師)
- 第 I 部 「愚か」な生を肯定する
- 1章 虐待の連鎖
- 2章 カサンドラ
- 3章 おひとりさま
- 4章 毒親
- 5章 子どもの産み捨て
- 第 II 部 「不可解」な生を肯定する
- 6章 マゾヒスト
- 7章 釜ヶ崎
- 8章 ひきこもり
- 9章 妖怪人間ベム
- 第 III 部 「無価値」な生を肯定する
- 10章 ナイチンゲール
- 11章 パラリンピック
- 12章 音声言語処理
- 13章 先天性代謝異常等検査
プログラム
第 I 部 総評
第 II 部「愚か」な生を肯定する
第 III 部 「不可解」な生を肯定する
第 IV 部 「無価値」な生を肯定する
主催: | 大阪大学倫理学・臨床哲学研究室 |
開催方法: | 対面+Zoom |
申込み: | 参加希望者は、以下のGoogleフォームからご登録ください。 https://docs.google.com/forms/d/15pn13EzEUkwOPIng4Ccpb-c4LGq-XGzFb3hypanir3E 受付〆切:2022年2月8日(水) Zoom参加者には後日(イベント2日前くらいに)ミーティング情報をお送りいたします。 |
問い合わせ先: | mariko.konishi@let.osaka-u.ac.jp |